企業を取巻く経済環境及び経営環境が急激に変化する昨今において、M&Aやグループ内再編の数は飛躍的に増加しています。また、その利用はグローバルに展開する大企業だけでなく、中堅・中小企業においても、オーナー経営者の事業承継の有効な手段や、ダイナミックかつスピーディーに事業構造を転換する手段として様々な局面において幅広く利用されています。
このような、近年の組織再編の利用頻度の高まりとともに、M&A、グループ内再編をとりまく法律、税務、会計等の諸制度の頻繁な見直しが行われ、実務も益々複雑化してきています。
M&Aやグループ内再編を行う際には、実行段階及び実行後の税流出を、税法が認める範囲内でどのように最小化を図るという点まで含めて組織再編戦略を立案、実行することが非常に重要となってきます。また、組織再編を行った場合の税務申告は、申告書の別表添付を要件に税務メリットを享受できるケースもあるなど、通常の税務申告とは異なり、高度な知識が求められます。
会計・税務の専門家である公認会計士が中心となって、戦略策定段階の税務アドバイスから、ストラクチャー構築に関する税務アドバイス、ストラクチャー実行段階の税務サポートまで、組織再編の各段階を通じて高品質のサービスを提供させて頂きます。
組織再編を行う場合、税務上、適格組織再編は非課税取引ですが、非適格組織再編は原則として課税取引であり、場合によっては、取引の実行可能性を脅かすような多額の税金が生ずる可能性があります。また、適格組織再編の場合には、繰越欠損金や資産の含み損に一定の制限が生ずる場合があります。さらに、グループ法人税制の導入により、当該観点からの法人間取引に対する税務上の検討も必要となります。
税務上の適格再編要件を満たしているか、税務上の欠損金を引き継ぐことができるか等の 組織再編の実施前の検討段階において、適切なアドバイスをさせていただきます。
ストラクチャーごとに、買収会社、被買収会社、被買収会社の株主の3者に対して、法人税、法人住民税、事業税及び所得税の課税関係を総合的に数値分析し、税務面を考慮した最適なストラクチャーを提案させていただきます。
組織再編を実施するにあっては、税法が想定していない取引や複雑な取引があります。そのような取引について、税務当局に事前に税務上の取扱いを照会することにより、税務リスクを事前に防ぐことができます。当該取引について詳細な内容を把握したうえで、法令等に基づき十分な検討を行い、照会文書の作成および税務当局への照会を実施させて頂きます。
グループ内再編においては、組織再編成における株式評価について恣意性を介入させることが可能となることから、税務上の時価と異なる金額で取引を行った場合の課税リスク分析をするとともに、税務上、適正と認めらる時価を算定させて頂きます。
組織再編を行った際には、税務申告書への別表添付を要件に税務メリットを享受できるケースもあります。また、組織再編に関する内容を税務申告書に正確に記載することには、高度の知識が必要となります。組織再編に関する申告書の作成、レビューについても組織再編による税務メリットを最大限引き出せるようにサポートさせて頂きます。